よみもの- column -
Vol.1:プラチナチケットで特別な歌舞伎体験を!
2025.03.17

目次
着物を愛する貴女のための歌舞伎特別企画
八代目尾上菊五郎襲名披露公演

皆さん、はじめまして。
この度、5月から7月にかけて東京・大阪で開催される夢のような八代目尾上菊五郎襲名披露公演に、皆さまをご案内するお役目をいただきましたアンバサダーの君野倫子です。今週から着物をこよなく愛する皆さまに、この特別な公演を存分に味わっていただくための連載をお届けします。どうぞ、よろしくお願いいたします。
私は常日頃、まわりの人に口癖のように言うのですが、
「どうか、1度は歌舞伎を観てほしい!」と。
ちょっと敷居が高くて…とか、一人で行くのは怖いかも…とか、1等席は勇気がいる…と言って敬遠していた皆さま!チャンス到来です。
「襲名披露」という特別な瞬間
襲名とは先代の名跡を継ぐことです。歌舞伎の世界において「襲名」とは、単に◯代目の数字が変わるだけでなく、ただ自動的に名前を継承するだけのものでもありません。歌舞伎は、1603(慶長8)年、出雲の阿国によって始められたとされてから、すでに400年以上の歴史があります。
尾上菊五郎家から始まる音羽屋(屋号)は、江戸歌舞伎を代表する名家。江戸時代初期から歌舞伎の技芸、精神、音羽屋が持つ伝統や芸風を400年もの間、絶やすことなく継承し繋げての、今年2025年の八代目襲名なのです。
当代の菊五郎丈が、その名を継いだのは、なんと52年前。当代の菊之助丈が、その名を継いだのは、29年前です。
そして、今年47歳の菊之助丈が菊五郎を継ぐのです。
今回、菊之助丈のご子息、丑之助丈が六代目菊之助を同時襲名しますが、今年11歳で襲名する六代目菊之助が、もし、菊五郎を襲名する時、さて…私は生きているだろうか??と思うのです。
つまり、この八代目の誕生は、四半世紀に一度あるかないかの歌舞伎界の大イベントなのです。
八代目尾上菊五郎襲名披露公演は、新たな時代の幕開けを告げる歴史的瞬間。歌舞伎はライブです。役者のその時の、その瞬間に立ち会えるのは、まさにご縁です。ぜひ、その瞬間の目撃者になりましょう!
歌舞伎デビューに最適な機会!
さて次に、なぜ私が暑苦しいくらい襲名披露公演を、歌舞伎ビギナーの方にこそ、おすすめするのか。それは…演目が特に厳選されている
襲名披露では、その家で代々続くお家芸、襲名する役者の魅力を最大限に引き出す名作が上演されます。錚々たる役者陣が最高の演技を披露・披露口上がある
祝意を込めて、錚々たる役者が勢揃いし、渾身の演技で舞台を彩ります。 また、襲名披露の際は、口上を一幕設け、豪華な顔ぶれが一堂に会し、舞台上から観客に挨拶を述べます。これがまた、襲名披露公演ならではのスペシャルなものです。会場全体が祝賀ムード
客席も、役者も、舞台上も、会場全体もお祝いの気持ちが溢れていて、特別な雰囲気の中で観劇することで、歌舞伎の魅力がより深く伝わります。お祝いの席ともあって、着物姿の方を多く見られます。それも眼福なのです。次回予告
さて、次回は音羽屋の特徴やキャストについて少しご紹介した上で、襲名披露公演・昼の部の見どころ、着物好きな貴方に見ていただきたいポイントをお伝えします。(Vol.2:名門・音羽屋の継承と昼の部の見どころ >>)
君野倫子プロフィール

文筆家・日本文化ディレクター。2004年より着物や和をテーマに書籍、新聞、雑誌の執筆を始める。2010年から14年間、読売新聞夕刊で伝統工芸を紹介する連載を続ける。着物、手ぬぐい、歌舞伎、和雑貨などをテーマに日本文化に関する著書は20冊。日英版・日仏版に加え、海外の出版社からも出版された著書もある。2025年には新たに日本とロンドンの出版社からも出版予定。執筆以外にも、商品企画・イベント企画・デイレクションなども手がける。
以下、いずれも君野倫子著・市川染五郎(現・十代目松本幸四郎)監修
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