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男女の着物の違いを徹底解説!初心者にもわかりやすい着物の種類と着こなし

2025.04.02

こんにちは!「着たい人を、着る人に」まるやま・京彩グループです。


「着物って男女で何が違うの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?


日本の伝統衣装である着物は、男女によって寸法や模様、色、素材、さらには着こなしや帯の結び方まで、さまざまな違いがあります。初めて着物に触れる方にとっては、見た目の印象だけでは分かりにくい点も多いかもしれません。


この記事では、着物初心者にもわかりやすく、男女の違いを丁寧に解説します。加えて、TPOに応じた着物の種類や着こなしのポイント、小物使いまでご紹介。

これから着物を着てみたい方、違いを知ってもっと楽しみたい方はぜひご覧ください。


1.基本構造から見る!男女の着物の違い


寸法の違い

まず大きな違いとして挙げられるのが、着物のシルエットや寸法です。

男性の着物は全体的に直線的なデザインで、丈が短く、袖も細めに仕立てられています。これは動きやすさや活動的な印象を重視しているためです。

一方、女性の着物は、ふんわりとした曲線美を活かすため、丈が長めに作られ、腰でおはしょり(折り返し)を作って調整します。特に未婚女性が着る振袖は、袖丈が長く華やかで、動くたびに優雅な印象を与えます。


模様の違い

着物に描かれる模様にも、男女で大きな違いがあります。

男性用の着物には、無地や縞模様、幾何学模様のほか、家紋や鷹・龍といった勇ましいモチーフが使われることが多く、全体的に落ち着いた雰囲気です。


対して女性の着物は、四季の花や流水、扇、鶴など、華やかで繊細な文様が豊富です。模様だけで季節感や格を表現できるのも、女性の着物の楽しみの一つです。


色の違い

色使いにも男女の特徴がよく表れています。

男性の着物は黒・紺・茶・グレーなど、落ち着いた色味が基本で、儀式用には黒紋付が用いられます。シンプルながら重厚感のある配色が特徴です。


女性の着物は、赤・ピンク・紫・緑など、明るく華やかな色合いが多く、若い世代ほど鮮やかな色を選ぶ傾向があります。

年齢を重ねるごとに、やや落ち着いた色を選ぶのが一般的ですが、最近ではあえて個性を出す配色も人気です。


素材の違い

男女ともに絹・麻・木綿といった素材が使われますが、用途や見た目に応じて素材選びも異なります。

男性の着物は、丈夫さや質感重視で無地感の強い素材が多く、光沢を抑えた落ち着いた印象。

女性の着物は、透け感のある絽や紗、高級感あふれる錦織や綴織といった織物を使い、季節や格に応じた素材選びが重要となります。



2.着物の種類|男女別の特徴


男性の着物

男性の着物には、日常的な普段着と、特別な場面で着る礼装とがあります。


日常着としては、結城紬や大島紬などの「紬」が人気です。シンプルで落ち着いた柄が多く、大人の渋さを感じさせる着こなしができます。また、木綿の着物は通気性が良く、夏の街歩きなどに向いています。


礼装としては、「黒紋付羽織袴」が最も格式が高い装いです。結婚式や葬儀といった正式な場面にふさわしく、背や袖に五つの家紋が入ります。 「色紋付羽織袴」は黒以外の生地を用い、ややカジュアルな式典や成人式などに適しています。


女性の着物

女性の着物はバリエーションが非常に豊かで、シーンや立場によって選ぶ種類が細かく分かれています。


普段着には「小紋」や「紬」、「木綿の着物」などがあり、気軽におしゃれを楽しめるのが魅力。季節に合った柄や色を選ぶことで、コーディネートの幅も広がります。


フォーマルな場では、未婚女性は「振袖」、既婚女性は「留袖」がそれぞれ第一礼装とされます。

振袖は長い袖が特徴で、成人式や華やかな式典で主役感を演出します。留袖は裾にのみ模様が入るデザインで、結婚式の親族が着用することが多いです。

その他「訪問着」は、既婚・未婚問わず使える万能な礼装で、パーティーやお茶会など、さまざまな場で活躍します。


3.TPOに合わせた着こなしの選び方

着物は、場面に応じてふさわしい種類を選ぶことがとても重要です。


男性の場合、結婚式では黒紋付羽織袴、成人式には色紋付羽織袴を選ぶのが一般的です。

葬儀では黒紋付を着用し、カジュアルなお出かけやお茶席では紬や木綿の着物が適しています。


女性は、未婚であれば成人式・卒業式・結婚式に振袖を着用し、既婚者の場合は留袖が基本です。

訪問着は、既婚・未婚を問わずフォーマルなシーンで使える便利な着物で、準礼装としても重宝します。

普段着には、小紋や紬などの気軽な着物を選び、帯や小物で季節感を出すとおしゃれ上級者に。


4.男女で異なる着こなしと小物使い


帯の違いと結び方

男性は「角帯」や「兵児帯」を使用し、腰骨のあたりに巻いて、背中側に小さな結び目(貝の口など)を作ります。結び方は簡素で実用的です。


女性は「袋帯」や「名古屋帯」「半幅帯」など多彩な種類があり、帯結びも華やかで多様です。振袖には文庫結びやふくら雀など、見た目にも印象的な結び方が選ばれます。


着付けの違い

男性の着付けでは、体型補正は行わず、全体を直線的に整えます。帯の位置は低く、スッキリとした印象になります。


女性は、胸や腰回りにタオルを入れて補正し、なだらかな曲線を作ります。帯の位置はやや高めにし、全体的に美しいラインを意識します。補正の仕方一つで印象が大きく変わるのが女性の着物の奥深さでもあります。


小物の違い

男性は必要最低限の小物で構成され、羽織紐や扇子、白足袋、草履など、実用性を重視したアイテムが基本です。


女性は、帯締め・帯揚げ・帯留め・バッグ・草履・髪飾りなど、着物全体を華やかに演出する小物が多数あります。季節のモチーフや和の素材感を取り入れて、個性や趣味を表現できるのも大きな魅力です。


5.まとめ

着物は、日本の伝統文化が息づく衣装であり、男女それぞれに異なる美意識と機能美が込められています。


男性の着物は、シンプルで凛とした印象。無駄のないデザインと色合いが、落ち着きや大人の魅力を引き立てます。

女性の着物は、華やかで優美。模様や素材、小物使いで個性を表現でき、季節感や女性らしさを楽しめる装いです。


着物の男女の違いを知ることで、自分に合った一着が見つけやすくなりますし、着こなしにも自信が持てるようになります。

普段着からフォーマルな場まで、ぜひ着物の魅力を体感してみてください。伝統と美しさが共存する、奥深い世界がきっとあなたを待っています。


まるやま・京彩グループでは、着物好きの皆さんがステキな着物ライフを送れるよう、お役立ち情報を発信していきます。


着物の選び方や着こなしについて、もっと詳しく知りたい方は、ぜひまるやま・京彩グループの着付け教室、無料体験レッスンにお越しください。


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