きものを「着たい人」を「着る人」に。まるやま・京彩グループ

着方レッスンコラム基本知識編

着物が着崩れしない方法とは、着方や歩き方のコツを紹介

2024.03.06

こんにちは!

「着たい人を、着る人に」

まるやま・京彩グループです。

着物を着てお出かけをしたい。


「でも、着崩れが気になる」

「着崩れしない方法があれば、もっと気軽に着物を楽しめるのに」

と思っている方は多いのではないでしょうか。


そこで今回は、着物が着崩れしない方法と、着方(着付け)や歩き方のコツをご紹介します!

1.着物が着崩れしない方法とは?

着物の着崩れを防止するためには、着崩れの原因を知ることが大切です。


①着物が着崩れする原因とは


着崩れをする大きな原因は3つあります。


1.動きが大きい

着物は、布地を体に巻いて、帯で締めて着用しますよね。

身体に巻き付けて着るため、布地も身体に沿っています。

大きな動きをすると、着物が広がり、帯がほどけてしまう可能性があります。


2.補正が甘い

着物は、平面的に作られていますよね。

洋服の時に使用する下着は、身体の凹凸を損なわないように立体的に作られています。

凹凸のある肌着(下着)を着物の下に着ると「着物と身体の間に隙間ができる」状態になり、着崩れをしてしまうのです。


3.着付けが緩い

「着物を着ると、苦しくて食事ができない。だから腰ひもを緩めている」と、耳にすることがあります。

ですが腰ひもは、着物がズレないように支える大切なアイテムです。

腰ひもを緩めてしまうと、着物が着崩れしてしまいます。



②着崩れしない方法!「着付けの道具から見直す」


着付けが緩くならないように、着付けの道具から見直していきましょう。



1.腰ひもを滑らない素材や固定できるものを使う

腰ひもは、さまざまな素材で作られていますが、なるべく滑らない素材のものを選んで購入することがおすすめです。

滑りにくく扱いやすい素材として、下記をご紹介します。


・綿(コットン100%)…締めやすくて、緩みにくい

・モスリン(毛)…締めやすくて、緩みにくい

・ゴムバンド…一定の長さで固定ができ、伸縮するため着崩れしにくく締め付けない。


化繊で作られている腰紐もありますが、緩みやすく締めにくいというデメリットがあります。

「帯の仮止め」の時に「ひもを抜きやすい」というメリットもありますので、上手に使い分けていきましょう。


2.体型補正の準備を怠らない

体型補正のために、数枚のフェイスタオルを用意しておきましょう。

肩の部分や、お腹や腰周りにタオルを巻いて補正します。

市販品で「補正ができる下着(肌着)」もありますから、活用してみてくださいね。


2.着物が着崩れしない着方(着付け)をご紹介!



着崩れしない着物の着方(着付け)をご紹介します。



①着物の着付け道具をそろえる


滑りにくい素材の道具を、なるべくそろえていきましょう。

着物の着付けには、主に下記の道具を使います。


「身に付けるもの」


・肌襦袢(肌着)

・長襦袢(半襟付き)

・着物

・帯

・帯締め、帯揚げ

・足袋

・補正用タオル(数枚)


「着付けに使う道具」


・腰ひも…数本(ゴムベルト1本と、腰ひも数本など)

・伊達締め

・衿芯

・帯板

・和装用クリップ

・コーリンベルト

・帯枕


②着物の着方(着付け)の手順!


着物の着方(着付け)の手順をご紹介します。

着物の合わせ方は「左側の衿が上(上前)で、右側の衿が下(下前)」です。


1.足袋を履く

2.肌襦袢(肌着)を付ける

3.長襦袢を着る(衣紋を抜く)

4.着物をまとい、衿の下の部分を持ち、裾を合わせる

5.左側(上前)の前幅の部分を右の側面に沿うように合わせる

6.上前の高さを変えないように、反対の右側(下前)と入れ替えて、下前を体に沿って合わせ、裾の角の部分(褄先)を8cmほど上げる

7.左側(上前)を下前にかぶせて、褄先を5cmほどあげる

8.腰ひもを巻く

9.前後のおはしょりを作り、背中の中心を合わせる

10.衿を整え、下前のおはしょりを内側に三角の形に折り込む

11.コーリンベルトをつけて、衿が崩れないように胸元を紐で押さえる

12.おはしょりがスッキリ見えるように整え、伊達締めをしめる

13.帯を巻く


③着物が着崩れしない着方(着付け)のポイント!


上記の着方(着付け)の手順から、着崩れしないためのポイントをご紹介します。


1.の肌襦袢(肌着)を付けた後に、補正用のタオルを、お腹と腰回りに巻き『腰ひも』で落ちないようにとめ、肩の部分は次に着る長襦袢で押さえて補正します。

タオルを腰回りの補正に使うと、汗を吸ってくれるのでとても便利です。


6.と7.のときに、上前と下前の裾の角を上げることで、裾がすぼまった状態になり、裾が広がりにくくなり着崩れをおこしにくくなります。

8.腰ひもを巻いて着物を固定する時、胃の上ではなく、腰骨の上の位置で巻きましょう。


その時、息を吸ってお腹を膨らませた状態で腰ひもを締めれば、食事をしても苦しさを感じません。

13.の帯を巻いて締めるときも、帯全体ではなく帯の下の部分を締めるように締めましょう。


3.着物の着崩れ防止!歩き方にコツはある?


着物は洋服に比べて「ゆとり」が少ないため、洋服を着ている時と同じように歩くと着崩れしますよね。

そこで、ここでは着崩れしないための歩き方を紹介します!


着物の着崩れ防止のコツ①「大股で歩かない」

着物を着て歩く時は、内股になるように意識しながら、小さい歩幅で歩きましょう。

大股で歩くと、裾の部分だけでなく、重なっている上前の部分もめくれてしまい、着崩れしていきます。


着物の着崩れ防止のコツ②「裾の上前を押さえて歩く」

歩く時には、着物の裾がめくれないように、上前の端の部分に手を添えて歩くことがおすすめです。

手を添えることで、裾がめくれないように気を配ることができ、歩き方だけでなく所作も綺麗に見えます。


着物の着崩れ防止のコツ③「小さな所作で動く」

歩く時には、着物の裾がめくれないように、上前の端の部分に手を添えて歩くことがおすすめです。

手を添えることで、裾がめくれないように気を配ることができ、歩き方だけでなく所作も綺麗に見えます。


お洋服を着ている時と同じ動きは、着崩れをおこしやすいので以下2点の注意が必要です。


1.腕を高く上げる

腕を高く上げると、袖の下(八ツ口の下)の部分が帯から出てしまい、腕を下ろしたときに、脇の部分が出て膨らんでしまうので、あまり見た目が良くありません。


2.歩いている時に腰をひねって振り向く

腰をひねって振り返ると、腰の部分で着物がズレないように止めているものが動いてしまうので、着崩れをおこしやすくなります。

着物を着ている時は「身体全体で振り返る」所作がおすすめです。


4.まとめ


今回は、着物が着崩れしない方法と、着方(着付け)や歩き方のコツをご紹介しました。


・大きな動きや、補正が足りない・着付けが緩いことが原因

・ポイントを押さえた着方(着付け)は苦しくない

・歩き方のコツや所作で、和風美人に


小さなコツやポイントを押さえることで、着物の着崩れを防げますので、ぜひ試してみてくださいね。