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夏物の着物はいつから?今だからこそ楽しめる生地や柄教えます
2025.07.17

こんにちは!「着たい人を、着る人に」まるやま・京彩グループです。
夏物の着物はいつから着るのが適切か、迷っていませんか?
この記事では、この一般的なルールに加え、透け感が美しい絽(ろ)や軽やかな紗(しゃ)、独特のシャリ感が魅力の麻(あさ)など、代表的な夏物生地の特徴を詳しく解説します。
この記事を読めば、夏の着物姿をより美しく、快適に楽しむための知識が手に入ります。
目次 [hide]
1.夏物の着物はいつから着るのが正解?一般的なルール

日本の着物には、古くから季節に合わせた衣替えの明確なルールが存在します。
洋服のように「暑いから薄着」という単純なものではなく、季節の移ろいを大切にする日本の文化が色濃く反映されています。
夏物の着物をいつから着るべきか、その基本的な考え方と現代に合わせた柔軟な対応について解説します。
和装における衣替えの基本と夏物の定義
着物の衣替えは、大きく分けて「袷(あわせ)」「単衣(ひとえ)」「薄物(うすもの)」の3種類に分けられます。
袷は裏地が付いた冬物や春・秋の着物、単衣は裏地のない一枚仕立ての着物、そして薄物が裏地がなく透け感のある夏物の着物を指します。
一般的に「夏物の着物」と呼ばれるのは、この薄物のことです。季節を先取りしすぎず、遅れすぎず、その時期にふさわしい装いをすることが、着物のたしなみとされています。
単衣から夏物(薄物)への移行時期
伝統的な着物の衣替えのルールでは6月と9月が「単衣」の季節、そして7月と8月が「薄物」、つまり夏物の着物を着用する「盛夏(せいか)」の季節とされています。
これは、梅雨明けから真夏にかけての最も暑い時期に、透け感のある涼しげな素材の着物を着ることで、見た目にも涼を呼び、着る人自身も快適に過ごせるように考えられたものです。
- 6月:単衣(裏地のない一枚仕立ての着物)
- 7月・8月:薄物(夏物)(絽、紗、麻など透け感のある着物)
- 9月:単衣(再び裏地のない一枚仕立ての着物)
このように、単衣を挟んで薄物を着用するのが一般的なルールです。
現代の気候とTPOに合わせた柔軟な着こなし
近年は地球温暖化の影響もあり、従来の衣替えの時期と実際の気温が合わないことが増えています。
そのため、着物の世界でも、伝統的なルールを守りつつも、その日の気温や体感温度、そして着用する場所や目的(TPO)に合わせて柔軟に着こなしを選ぶことが重要視されています。
- 気温を優先する
- 地域差を考慮する
- TPOに合わせる
5月下旬でも真夏日になるような日や、9月に入っても残暑が厳しい日は、暦にこだわらず薄物を選ぶといった柔軟な判断が許容されるようになってきています。
北海道と沖縄では気候が大きく異なるため、それぞれの地域の気候に合わせた着こなしが求められます。
フォーマルな場では伝統的なルールを重んじる傾向が強いですが、カジュアルな普段着や趣味の集まりなどではより自由な選択が可能です。
2.夏物着物の代表的な生地と特徴

夏に着物を楽しむ上で、生地の選択は非常に重要です。涼しさや着心地はもちろんのこと、見た目の清涼感や着用シーンに合わせた格も生地によって大きく異なります。
ここでは、代表的な夏物着物の生地をご紹介します。
透け感が美しい絽の着物
絽(ろ)は透かし目のある「からみ織り」で作られた生地で、涼しげな印象を与えるのが特徴です。絹が使われることが多く、なめらかで上品な光沢があります。
種類には均一な透かしの「平絽」、地紋入りの「紋絽」、縮緬の風合いを加えた「絽縮緬」などがあり、着物や帯に幅広く使われます。
主に7月と8月に着用され、夏のフォーマルやおしゃれ着として重宝されています。
軽やかで涼しげな紗の着物
紗(しゃ)はからみ織りの一種で、全体に透かし目があり絽よりも強い透け感と軽やかさが特徴です。絹で織られ、しなやかなドレープ性があります。
盛夏(7月・8月)に着用され、絽よりもカジュアルで開放的な雰囲気を持ちます。小紋や羽織、帯などに使われ、夏の普段着やお出かけ着として人気があります。
独特のシャリ感が魅力 麻の着物
麻は植物由来の天然素材で、シャリ感と通気性に優れ、夏に最適な着物素材です。
苧麻や亜麻が使われ、吸湿性・速乾性に富み汗をかいても快適な着心地が続きます。
シワになりやすいですが、それも風合いとして楽しめます。自宅で手洗い可能なものも多く、6月〜9月まで長く着用できるのも魅力。浴衣や普段着として人気があります。
3.夏物着物にふさわしい柄と色選び

夏物の着物を選ぶ際、生地の涼やかさだけでなく柄や色選びも重要なポイントとなります。
視覚からも涼しさを感じさせることで着る人も見る人も快適に過ごせる、夏ならではの装いを完成させることができます。
涼しげなモチーフの柄で季節感を演出
夏物着物の柄は、見た目に涼やかで清涼感のあるモチーフを選ぶのが基本です。
季節感を先取りする「着せ替え」の考え方に基づき、その時期に咲く花や、夏の風物詩を象徴する柄が好まれます。
- 植物モチーフ
- 水辺のモチーフ
- 古典柄や抽象柄のモチーフ
朝顔や芙蓉、撫子、紫陽花、竹などが定番で、涼しげな印象と共に夏の情景を表現します。
流水、波、千鳥、金魚、蜻蛉、蛍などがあり、視覚的に清涼感を与える柄として人気です。
雪輪や青海波、網目といった古典柄も、涼やかな配色や透ける生地に描かれることで夏らしい装いに。水玉、絞り、縞などの抽象柄も、シンプルながら軽やかさを演出します。
柄選びでは、柄の意味や着用する時期を考慮すると、より粋で季節感のある着こなしに。
たとえば、7月は朝顔や紫陽花、8月は桔梗や萩など、その時季に咲く花を取り入れるとより洗練された印象になります。
夏らしい色合いの選び方とコーディネート
夏の着物は視覚的にも涼しさを感じられるよう、淡く清涼感のある寒色系が好まれます。
白、水色、藤色、薄緑などの寒色は、空や水、植物を連想させて落ち着いた印象に。彩度を抑えた淡いトーンは、透け感のある生地と相まって軽やかさを演出します。
コーディネートでは、単色だけでなく複数の色を組み合わせることで奥行きのある印象に。
たとえば淡い水色の着物に白や銀の帯を合わせると、上品で涼しげな装いになります。帯締めや帯揚げに赤や黄色などを差し色として取り入れると、全体が引き締まり華やかさが加わります。
4.まとめ
夏物の着物は、一般的に6月から8月が着用時期の目安です。
透け感が美しい絽や紗、独特のシャリ感が魅力の麻など涼やかな生地を選び、季節感ある柄を取り入れることで日本の夏を快適かつ上品に楽しめます。
今年の夏は、ぜひ日本の伝統美である着物で特別な装いをお楽しみください。
着物選びでお困りの際は、ぜひ専門家にご相談ください。
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